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近年の日本の食の傾向
戦後、私たち日本人の食事は急速に欧米化しています。その理由の一つに、戦前の栄養状態が悪い食事から洋風を取り入れ、肉や魚をバランス良くとりいれる食事に転換するよう改善指導が行われたからです。
その結果平均身長が伸び、さらには平均寿命も延びました。
食の欧米化は良い事をもたらしましたが、近年では悪い影響も見えてきました。
高カロリー、高脂質の食事により、肥満や生活習慣病が増えている事です。更には、これまで日本人があまり接種してこなかった乳製品や小麦の接種が増えたことにより、アレルギー患者も増えています。
日本人の腸や腸内細菌は欧米化していない
腸のつくりが違う
欧米諸国は雨や曇りの日が多いのはご存じでしょうか。さらにヨーロッパは日本に比べると、平均気温も低いです。その結果植物が育ちにくく、昔から動物から栄養を取る事に頼った食事をしてきました。
日本はというと、植物を栽培するのに適した気候に恵まれています。なので野菜を中心にとる食生活を昔から続けてきました。
この長い歴史の中で、昔から肉食中心の食生活を送ってきた欧米人と、お米や野菜を中心にした日本人とでは、体のつくり(腸のつくり)が違うのは自然な事です。
長い歳月をかけて進化した体が、戦後の数十年で急に変わる事はできません。
腸内細菌が違う
食文化が異なれば、栄養を分解して取り入れる方法も変わります。その結果、持って産まれた腸内細菌も違うのです。
腸内細菌は遺伝や食生活から変わってきます。
最近では有名な話ですが、「海苔」は日本人しか消化できないそうです。それは長く海苔を食べてきた日本人だけが持つ腸内細菌が影響しているそうです。
この様に、長い間培ってきた食生活により持っている腸内細菌、腸のつくりは違います。
子ども達にも一汁三菜
では、急速に広がる食の欧米化に私たちはどう対応したら子ども達の為になるのでしょうか。
それは日々の食生活からだと思います。食の欧米化は日本人の平均身長、寿命をのばしました。生活習慣病などの要因ともなってきますが、やはり大切なのはバランスです。
一汁三菜を心がけバランスの良い食事を取るようにする
子どもの頃からの食習慣は大人になってからも急激に変わる事はありません。それは習慣だからです。私たちも実際に、子どもの頃から食して体に馴染んだ食事は毎日食べても飽きませんが、毎日パンだけ食べろなど言われてもそんな事は出来ない人がほとんどだと思います。
毎日一汁三菜をしましょう。とは言いませんが、週に3、4回でもそのような食事が出来たら、それは子ども達の習慣となり、自然と和食のおかずが母の味となり大人になってからの食生活にも影響してくると思います。
薄味を心がけましょう
子ども達の食習慣の為に出来る事がもう一つあります。
それは薄味を心がける事です。近年、ファストフードや加工食品、スナック菓子など濃い味の食べ物があふれています。そんな中、お家での食事も濃い味であれば、その後の人生で薄味の物を好きになる事はないかも知れません。濃い味に慣れてしまうと薄味では物足りず、好んで食べる事はなくなってしまいます。しかし、素材そのものの味を楽しむ薄味の食事は健康に良いものが多い傾向にあります。
濃い味のものは、塩分や糖分、脂質が多い物が多いですよね。子どもの頃から薄味に慣れて食していれば、大人になってからの食習慣も健康的になると思います。
まとめ
- 食の欧米化がもたらした影響は良い事もあるが、悪い所もあるのでバランスが重要!
- 欧米人と日本人とでは腸のつくり、腸内細菌が違うので日本人に合った食生活を心がける。
- 子ども達にも一汁三菜、出汁のきいた薄味の食事を。
忙しい毎日に一汁三菜は難しい日もあると思います。なので忙しい時はファストフードや加工食品に頼っていいと思います。作れそうな時には薄味の物を作るようにするなどして、気を張りすぎず気楽な気持ちでやっていく事が大切です。そんな日々の積み重ねで子ども達の体は作られます。
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